通電率について |
従来、ソレノイドの定格は「連続」と「間歇」に大別されていただけですが、弊社では間歇定格をさらに具体的に「通電率」(Dutycycle)という用語を用いて規定しています。
この規定を設けることにより、ご使用条件に対して効率よく最も小型のソレノイドをお選び出来ると同時に、コイルの焼損事故をも避けることが出来ます。
ソレノイドコイルではコイルの温度上昇の面から消費電力量が規定されます。そのため連続、間歇使用でも、ある単位時間内での消費電力量は同一となり間歇使用の方が連続使用時より大きな消費電力量を投入でき、トルク(DCソレノイドの場合は吸引力)が増大します。
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通電率の求め方 |
通電率はご使用条件から次式でおもとめください。
通電時間
通電率(%)=─────────── × 100
通電時間 + 遮断時間
注意: 通電率100%以外のものについては、通電時間が5分(300秒)を超えてはなりません。
例1.通電時間1秒、遮断時間10秒の繰り返し動作のときの通電率は
1
────── × 100 = 約9(%)
1 + 10
となり、この使用条件では、通電率10%のソレノイドをお使いください。
例2.通電時間4分(240秒)、遮断時間6分(360秒)の繰り返し作動のときの通電率は
分母が5分(300秒)MAXになるようにし、
4
────── × 100 = 80(%)
4 + 1
となり、この使用条件では通電率100%のソレノイドをお使いください。
例3.通電時間2分(120秒)、遮断時間8分(480秒)の繰り返し動作のときの通電率は
分母が5分(300秒)になるようにし
2
────── × 100 = 40(%)
2 + 3
となり、40%の通電率のソレノイドを使用します。
[最大通電時間]
10%:30秒以内
20%:60秒以内
40%:120秒以内
注意 L型には最大ON時間が別に有ります。
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定格電圧と通電率の変更 |
弊社製ソレノイドの標準品は、定格電圧DV24V・90Vになっていますが、これに異なった電圧をかけて異なった通電率のソレノイドとしても使用することができます。これは理論的には、次のごとく説明できます。
今あるソレノイドにおいて入力電圧E1、その通電率をα1、コイルの抵抗をRとし、ソレノイドに入力電圧E2を加えたときの通電率をα2とすれば、入力電圧は
E1×E1 E2×E2
α1───── = α2─────
R R
が成立します。
本式より24V定格のソレノイドを、異なった通電率で使用する場合の印加電圧Eは
E=24√( α24/αE )
α24:24V時の通電率
αE :EV時の通電率
が導き出されます。
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規格電圧の変更表 |
24V・90V定格の通電率を変更する場合の電源電圧の変更は下表の通りです。
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24V・90V時の通電率 |
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100% |
40% |
20% |
10% |
変
更
後
の
通
電
率
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100% |
24V |
24V |
15.2V |
11V |
7.6V |
90V |
90V |
57V |
40V |
28V |
40% |
24V |
38V |
24V |
17V |
12V |
90V |
142V |
90V |
64V |
45V |
20% |
24V |
54V |
34V |
24V |
17V |
90V |
201V |
127V |
90V |
64V |
10% |
24V |
76V |
48v |
34V |
24V |
90V |
285V |
180V |
127V |
90V |
5% |
24V |
107V |
68V |
48V |
34V |
90V |
402V |
255V |
180V |
127V |
上記表により、たとえば24V100%のソレノイドを通電率5%で使用する場合は、107V加えて作動させれば良いということがわかります。
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